行動計画って、なにかいたらいいん?
そんなぎもんにこたえます。
7月、座学と学内演習がすすんで、いよいよ助産実習がはじまりましたね。過剰に緊張せず楽しんで学んでくださいね。
学生さんの、実習記録のヒントになったらなぁ…という思いで、いくつかのパターンを紹介しようとおもいます。
ご自身が学んできたことを記録していくのは意外と難しいです。どう表現するか迷ったら参考にしてください。
自己紹介 筆者は看護師としてICU、呼吸器外科病棟、助産師として周産期センターで勤務していました。第2子を出産してからは、看護・助産の教員を、かれこれずーっとやってます(^^) 資格:高校教諭、看護師、助産師、公認心理師 など |
学校によって、実習記録の『様式』は異なりますね。でも、
求められる能力は同じところを目指していくので『様式』は違っても内容は似たりよったりです。
9週間(分娩介助等)と2週間(地域母子保健実習と助産管理実習)に行きますからね、
前者の9週間の実習では、分娩を控えている産婦さんが いるいないにかかわらず、実習日当日の目標をたてます。ポイントは、
✔日々録には、学生の目標で表現します。
✔受け持ち妊産褥婦の記録には、妊産褥婦さんの目標(対象を主体にした目標、期待される結果)で表現します。
目次
今日の実習目標
では、『日々録』ともいわれる、1日の行動計画・記録 に関して書きますね。
分娩直接介助に関するもの以外は、看護学生さんも参考になると思います。
(リストから2つ・3つ選んで持っていくといいと思うよ💛)
分娩予定がある場合の例
- 分娩室の環境、備品、薬品、分娩台、ラジアントウォーマー等の点検ができる
- 清潔操作で分娩セットの展開ができる
- 産婦が分娩に対し前向きに臨めるような声かけや、呼吸法の指導ができる
- 産婦の訴えや表情、NSTモニター、内診などから分娩の進行に正常からの逸脱がないかアセスメントできる
- 分娩の経過をアセスメントしながら、清潔操作のもと、安全に分娩介助ができる
- フリードマンを活用し分娩時間の予測ができる
- 分娩の進行に応じて計画を修正できる
- 水分を適宜すすめたり、食事は食べやすいように工夫できる
- 陣痛発作時の補助動作を促すことができる
- 陣痛間歇期のリラックスを促すことができる
- 分娩体位を整えることができる
- 清潔野を作り、分娩セットを使いやすいようにスタンバイできる
- 安全な助産手技で胎児を娩出させることができる
- 分娩間接介助及び安全に児受けができる
- ラジアントウォーマー上で出生直後の処置・計測が適切に実施できる
- 出生直後の処置の後、母児早期接触のケアを安全に行うことができる
分娩予定がない場合の例
- 両親学級を見学し、助産師の対象に対する関わり方や、教室の運営(会場設営、進行方法など)について理解することができる
- 両親学級のプログラムの一部を担当し、対象の表情を見ながら、伝わりやすく説明できる
- 妊婦健診(見学)にて、助産師による個別の保健指導、妊婦の反応に対する助産師のかかわり方を学ぶ
- 対象の妊婦のアセスメント、助産診断を行い、必要な指導を考えることができる
- 推奨される体重増加量や、運動、睡眠、食事の工夫などの個別指導ができる
- 入院準備の個別指導ができる
- 児背の位置を確認し正しくNSTモニターを装着、装着後の体位を整えることができる
- NSTの診断と報告ができる
- 新生児のバイタルサイン、一般状態を観察し、子宮外生活適応の状態をアセスメントできる
- 新生児の日齢ごとの特徴を理解できる
- 進行性変化、退行性変化の観察ができる
- 授乳や産褥復古を促すケアが実施できる
- 母親(褥婦)の育児技術獲得への支援ができる
- 授乳介助を見学し次回から実施できるようにする
- 授乳時の抱き方、含ませるときのラッチオンがうまくいくように声かけをしながら授乳介助ができる
- 乳頭トラブルを避けるためのケアの実施と、褥婦が自身ができるよう指導できる
- 赤肌、キレツのケアを指導できる
- ドライテクニックや沐浴の指導ができる
- 退院指導を見学し、ポイントや注意点、伝え方などについて、自分の案に修正を加えることができる
- 小集団の退院指導の一部を担当することができる
- 個別の退院指導を実施できる
- 1ヶ月健診を見学、産褥復古のアセスメントができる。また、育児に不安がないか、児との過ごし方など個別の支援を指導者の許可を得て行うことができる
- 分娩台、分娩セット等をお借りして、ペアの学生とともに事例を想定した分娩介助の演習を行うことができる
行動計画
行動計画は実習当日の、この時間帯にこの項目を行うつもり、というのを予め立てておくものです。
受け持ち母児のケア予定の他に、病棟のホワイトボードに書かれてある週間予定、ルーティンワークなど注目しておくと項目を入れやすいですね。
もちろんその通りにはいきませんw 実習はいきものですから(ん?)修正することになりますが、そのときは青字で変更修正を書きます。
行動計画の例
8:30 病棟挨拶 分娩室環境整備・点検
8:45 申し送り聴取
9:00 情報収集(受け持ち母児の前日の様子)、VS測定・産褥観察
9:30 新生児VS測定、全身状態観察
10:00 沐浴指導
11:00 授乳介助、午前の報告
12:00 (昼休憩)
13:00 バースレビュー
14:00 授乳介助
15:00 カンファレンス、記録
16:00 報告、終了
行動計画修正変更後の例
未産婦さんが分娩室入室した、すると、計画を変更修正するひつようがありますね。
下記のように、元の計画から変更するところに、打消し線を引いて、青字で修正していきます。
8:30 病棟挨拶 分娩室環境整備・点検
8:45 申し送り聴取
9:00 情報収集(受け持ち母児の前日の様子)、VS測定・産褥観察
分娩介助実習開始(陣痛誘発・促進)
9:30 新生児VS測定、全身状態観察
10:00 沐浴指導
11:00 授乳介助、午前の報告
12:00 (昼休憩)
13:00 バースレビュー
14:00 授乳介助
15:00 カンファレンス、記録
16:00 報告、終了 延長
〇時〇分 報告、終了
実習内容・考察
助産実習では分娩介助実習は10例分、別冊の記録のセットがあるので、詳細はそこに記録していきます。なので、日々録に書く実施内容の記述は、大まかでよくて、「詳細は、別紙助産記録参照」と記しておきましょう。
実施内容・考察の記述の例
アトニンO:5単位
【重大な副作用】
✔アナフィラキシーショック 血圧低下、発疹、発赤、掻痒感、血管性浮腫、呼吸困難、チアノーゼ、
✔過強陣痛
【副作用】
血圧上昇、悪心、嘔吐
【観察項目】
陣痛発来状況、胎児心拍陣痛図モニター
使用前に頸管熟化の確認(8点以上で有効)
4~6cm | 7~8㎝ | 9cm以上 | |
陣痛周期 | 1分30秒以内 | 1分以内 | 1分以内 |
持続 | 2分以上 | 2分以上 | 1分30秒以上 |
Aさん 初産婦 40週5日 予定日超過 アトニンによる誘発分娩
9:00 陣痛発来 17:18 男児娩出 「詳細は、別紙助産記録参照」
(分娩介助1例ごと、助産記録というファイルを作成することになるので、記事が重複するから別紙参照と記載すれば、指導助産師や教員にとってわかりやすいです。)
振り返り欄によく書かれる例文
「受け持ち時点で、分娩の3要素それぞれをしっかり観察し、分娩にどのように影響を与えるか考え、分娩予測時間を立て、慌てず進めなくてはならなかった。」
「分娩予測から、分娩が順調に進行していくための援助をしていくのが良いと思った。」
「呼吸法の誘導は、産婦が今どんな風に呼吸しているかよく見ながら、合わせながら行っていけるよう声かけをしなくてはならなかった。一方的に声かけしていて、うまく産婦を誘導できていなかったので、今後の課題だ。」
・・・といった感じです。
まとめ
助産実習の実習記録のうちの1つ、1日の行動計・実習内容の記録について、例を挙げて説明しました。
助産学生さんのお役にたててもらえたら幸いです💛ではまた。