早期吸啜は母子相互作用のはじまり。

赤ちゃんのいる暮らし

私の母は 母乳があんまりでなかったという。私もそうなのでは?|遺伝もある(稀)

助産師の私がこの疑問について解説します

母乳分泌のしくみ

妊娠すると 胎盤から分泌される エストロゲン、プロゲステロン の

はたらきによって 乳腺は 発育します。

さらに、 脳下垂体 前葉から プロラクチン、

また、副腎皮質ホルモンや 甲状腺ホルモン、インスリン、胎盤ラクトーゲン なども 作用して、

乳腺の発育 は 促進 されていきます1)

赤ちゃんを 出産したあと 胎盤 が 排出されると、プロラクチンが増加して

母乳の分泌が 始まります。

赤ちゃんが乳頭を吸うと、その刺激によって オキシトシン の 放出が 促されます。

母乳が分泌されるしくみ

✔ プロラクチン

・プロラクチンは腺房に作用して母乳をつくらせます。

・プロラクチンは 母親の 眠気 を誘い、リラックス させることができます。

✔ オキシトシ

・オキシトシンは 腺房 の まわりの 筋細胞を 収縮させて、母乳を 乳管から 乳管口へ おくり込みます。

・オキシトシンには、お産のあとの 子宮の復古(もどり)をうながすはたらき もあります

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母乳育児の早期開始

WHO /ユニセフの、「母乳を成功させるための十か条」の4には、産科にたずさわる者 に対して、

お産のあと30分以内に、赤ちゃんに母乳をあげられるよう、お母さんを助けること2)といってます。

お産の直後、生まれたての赤ちゃんの 全身状態 が、安定していれば

カンガルーケア と 早期吸啜 をします。

母子相互作用 の はじまりで、母乳栄養確立 に とても大切なことです。

頻繫に授乳すること で 母乳の産生 は 増える

腺房 が 母乳を産生するためには、プロラクチン の 濃度が 高く 保たれる必要があります。

その濃度は、赤ちゃんが吸啜する間に保たれます。

そして 新しい母乳がまた 腺房のなか を みたしていきます。

母乳欠乏 や 分泌不足 が 考えられる 理由

✔ 頻回授乳をしていないこと の他に、水分不足 や 貧血、ストレスなどがあります。

✔ ですが、母乳の 分泌量 に かかわる遺伝子 が

発見(千葉大学大学院医学研究院のグループが発表2018年12月)され、

プロラクチンレセプター に 変異 を もつ 家系では、母乳の出 が わるい ことがあります3)

『努力してもおっぱいが出ない😢』と、どうか 悩まないでください。

まとめ 

赤ちゃんが吸啜した(飲んだ)ぶんだけ、 新しい母乳は産生 します。

でも、母親ゆずり ということもあるから 悩まないでくださいね!

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。

【参考】

1)馬場一憲「目で見る妊娠と出産」124貢 文光堂出版 2013

2)厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/01/dl/s0131-11b.pdf

3)http://www.qlifepro.com/news/20181210/genes-involved-in-breast-milk-secretion.html

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  • この記事を書いた人

かなてぃ

いのちを育む者ひと、傷んだ人をケアするひとを愛してやまない かなてぃ です。それを学ぶ人、働く人を絶対的に応援してます!関心事は、女性こころとからだの健康。女性ホルモンの エストロゲンは 50歳で 消えていくわ。同時に仕事も足腰つらくなっていくし。それでも楽しく看護師していたいね。皆様がんばりましょう。

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