看護学生

看護(助産)実習生沐浴指導案|発表原稿の例

沐浴布をかけてもらうと沐浴中のモロー反射は抑えられますね^^

沐浴指導は母性看護、助産の臨地実習につきもの

沐浴指導の際、沐浴指導案の他に、実際に褥婦さんに”語り掛ける言葉”を 、発表原稿として添付し、指導者さんにEP(教育計画)実施の許可をもらいます。

これがなかなかたいへんです。

実習が始まる前に、あらかじめ用意しておき、個別性を表現するところだけを部分的に書き換えるというふうにすると、実習期間中の寝不足が幾分ラクになりますね。

というわけで、そんなに難しく考えることはない、さっさと用意しちゃいましょう。

場面1:媒体のパンフレットで説明

「おはようございます。〇〇大学(〇〇専門学校)看護(助産)学生の△△です。 今日は人形を使って、 赤ちゃんをお風呂に入れる(沐浴の)方法や注意点などを説明していきたいと思います。 よろしく お願いします。

予定としては、〇時〇分~〇時〇分の 40分程度です。 最初に パンフレット(実習先の病産院のもの) を用いて説明をさせていただきます。それから、人形を使って沐浴 の方法を説明します。そのあとお母さま(◇◇さん)に、実際に沐浴を行ってもらいたいと思っています。」

「 途中、お手洗いにいきたくなったり、気分が悪くなった場合はお声をおかけください。 また、楽な姿勢でお聴きください。」

「それではパンフレットの〇〇ページをご覧下さい(パンフレットがない場合、学生はリーフレットを作成すると良い)。」

「赤ちゃんは新陳代謝がとても 盛んです。産まれて1ヶ月までの皮脂の分泌は、一生で最も多いといわれています。沐浴は、赤ちゃんの皮膚の清潔を保ち、循環をよくする為に行います。また、その機会に全身の状態を観察できます。さらに 生活リズムを調えたり、スキンシップが図られるので、赤ちゃんの成長、発達を促すことにつながります。」

「つづいて沐浴を行う時間ですが、日中の明るい時間帯に行うのが良いとされています。大体同じ時間帯に行い、生活リズムを作るといいです。とはいえ、手伝ってくれる人がいない場合は、多少ずれてもかまいません。 

授乳直後は吐きやすく、 お腹が減っているときは啼いたりあばれたりするので、授乳の前後は避けるのがよいです。 」

「沐浴にかける時間は、赤ちゃんが疲れてしまわないように、全体で10分、そのうちお湯に浸かる時間が5分が良いでしょう。

「生まれたての赤ちゃんは、感染に対する抵抗力が弱いです。退院後しばらくは、臍(へそ)の緒は、まだしっかりと乾燥していなかったりします。感染予防のために、1ヶ月健診で許可が出るまでは、専用のベビーバスをご使用ください。」

「次に、沐浴を行うときの環境についてお話します。赤ちゃんは体温を調節する機能 が未熟なので、お部屋の温度は20℃以上がいいです。それから、空調や外気などの風が直接当たらない場所で行いましょう。」

「〇〇さんはキッチンのシンクで行う 予定ですね。シンクで行うときは、蛇口などが赤ちゃんに当たったり、お湯が急にでたりしないようにお気を付けください。」

 「沐浴を控えた方が良いときもあります。沐浴前には赤ちゃんの体温を測ってみましょう。体温が37.5℃以上ある場合、つまり発熱しているときは、沐浴は控えて受診しましょう。

(赤ちゃんに服を着せすぎているときや、おお啼きしいている時などにも、 375℃以上になることがあり ます。 そのときは衣服を調節したり、啼き止んで落ち着いて30分くらい してから測りなおしてみてください。)

ここまでで、何かご質問はないでしょうか。それでは沐浴の準備をしていきますね。」

<質疑応答後、移動>

場面2:沐浴槽のそばで説明

お顔を洗ってもらっている新生児

「それでは、沐浴の準備をしていきます。沐浴の準備について説明していくので沐浴層の前に移動しましょう。

先に、時間がかかるのでお湯を溜めめていきます。お湯の量は、浴槽の6から8分目です。 慣れないうちは不安だと思うので、5分目くらいで赤ちゃんを座らせるような形で行っても大丈夫です。

お湯の温度は38度~40度で準備します。湯温計で確認します。掛け湯として、洗面器にもお湯を準備します。ここではピッチャーを使いますね。」

「体感温度と実際の温度では違いがあるので、準備しておくと便利です。」

「固形のベビー石鹸でも、泡で出てくるタイプの石鹸でもどちらでもいいです。ベビー用の泡ソープはすぐに使えるので便利です。」

「 沐浴剤は皮膚を保護するもので、汚れをきれいに洗い流すことができないことがあるの で、使うとすれば週に2回くらい、その日以外は石鹸で洗ってしっかり流してあげてください」

「沐浴用にガーゼハンカチを一枚用意しておきます。」

「バスタオルとお着替えは、沐浴をする場所の近くにセットして用意します。着がえがスムーズにできるよう、おくるみを広げ、その上にお着換えをセットします。短着の袖を長着の袖に通して広げ、おむつも良い位置に広げておきます。その上に二つ折りしたバスタオルをひし形に広げておきます。

そうしておくことで、体を拭いてすぐにおむつと服を着せてあげることができます。」

「お臍の消毒セットも用意しておきましょう。 今回はアルコール綿で消毒しますが、おうちに帰られてからは”お産セット”の中に入っていますのでそちらを使用してください。 

臍脱後のおへそが乾燥していたら、この処置は不要です。”お産セット”には、おへそ用と鼻用の2種類の綿棒が用意されています。」

 「ベビー用のブラシも用意しておきます。」

「赤ちゃんがケガをしないように、沐浴する人は必ず爪を切り、時計や指輪 は外しておきます。 また、髪の毛が邪魔にならないように束ねて、袖をまくっておきます。」

場面3:沐浴の手順を説明

背中を流してもらっている新生児

「それでは実際に沐浴していきます。まず、赤ちゃんの服を脱がせます。生まれたばかりの赤ちゃんは腕がWの形、足がMの形をしています。服の内側から肘の関節を優しく持ち、袖をまくりあげるようにして袖を抜きまし よう。 

おむつを外したときに、おしっこをしていたらそのままで続けても大丈夫ですが、 うんちをしている場合は軽くふきとってあげてください。

もし、浴槽につかっている間に赤ちゃんがおしっこやうんちをしてし まったとき、新しいお湯を溜め直すなどすると、その間に赤ちゃんが冷えてしまいますから、そのまま続けていただいて、最後のかけ湯をいつもより多めに行うようにしてください。」

「次に赤ちゃんを抱っこしていきます。 まず左手の親指と中指で赤ちゃんの 耳の後ろを持ち、首と背中の隙間を埋めるようにしてしっかりささえます。 右手でお股の間から手を入れ親指は足の付け根、残りの四本はお尻をささえるようにして持ち上げます。」

「赤ちゃんをお湯に入れる前に必ず肘の内側で温度を確認してください。 お湯の温度が確認できたら、足元からゆっくりお湯につけます。 赤ちゃんの 頭と首を支える方の腕は浴槽の淵にかけるようにし安定させます。 

赤ちゃんがびっくりして啼いてしまうときは両腕を覆うように沐浴布をかけたり、 赤ちゃんの足を浴槽につけてあげると安心します。 話しかけたり、お湯をすくってかけてあげるのも落ち着いたりします。」

「それでは、顔から順に洗っていきます。 まずガーゼを洗面器側のお湯で濡らして から硬く絞り、目頭から目尻に向かって目を拭きます。 目尻から目頭でも構いません。拭いたあとはガーゼの面を変えるか、きれいに洗い直すようにしてください。 

次におでこから鼻の下、 口周りは3の字を書くようにして拭いて いきます。 口周りや鼻の下はミルクが固まっていることもあるのでしっかり拭いてあげてください。 

石鹸泡をおでこ、ほっぺ、鼻、顎につけて洗っていきます。 赤ちゃんも大人のニキビと同じように湿疹ができやすいので石鹸で洗って、石鹸が残らないようにながすようにしましょう。顔を洗うときは石鹸を流す時も洗面器側のお湯をつかいます。」

「顔が洗えたら、頭を洗います。 頭はガーゼを使って濡らし、石鹸をつけて 指の腹で円を描くように洗います。 すすいだあとは頭から熱が奪われない ようにガーゼを硬くしぼり水気をとります。」

「頭が洗えたら、首を洗います。 首は親指と人差し指でVの字を作るように して洗います。 皮膚が二面重なっているところや しわ にたまった汚れを落としてあげましょう。」

「次は両腕とお腹です。 腕は軽く掴んでくるくるとねじるように回しながら 洗います。 手のひらは小指側からお母さんの親指をいれると開きやすいです。沐浴中に赤ちゃんが手を口元に持っていくことがしばしばあるので、掌を洗うときはすぐ泡を洗い流すようにします。 

脇も汚れがたまりやすいのでしっかり洗ってくださ い。 反対側も同じように行います。

胸やお腹は円を描くようにクルクルとマッサージしながら洗います。お臍周りもしっかり洗っておきます。」

「次に足を洗います。 足も腕と同じようにして洗います。 足の付け根も汚れが溜まりやすいのでしっかりと洗いましょう。 反対側も同様に行います。」 

「次に背中を洗っていきます。 背中を洗うときは赤ちゃんの左脇に右手を入れ、親指を赤ちゃんの肩にかけ、残りの四本を背中に回します。 左手で首を 支えたまま右腕に赤ちゃんの胸がのるようにうつぶせにします。 

赤ちゃんの 右腕をお母さんの腕の前にくるように誘導します。お母さんの右腕は浴槽の淵にかけると安定しやすいです。

このとき赤ちゃんの顔がお湯に浸かっていたり、浴槽の淵にあたらないよう、気をつけましょう。 

後頭部と首の後ろ、背中、お尻の順に洗っていきます。ガーゼを使って洗い流します。 耳のうしろや首のしわに石鹸成分が残りやすいので注意しましょう。 背中に湿疹がないか観察しておきましょう。 

おうちで誰か手伝ってもらいながらなさる場合は、赤ちゃんうつ伏せにしたらそのまま交えて、手伝ってくれる人に背中を洗ってもらうといいです。」

「背中とお尻が洗えたら、先ほどと同じように左手の親指と中指で赤ちゃん の耳の後ろを持つようにして上向きに戻します。 上向きにしたら最後におし もを洗います。女の子は指の腹を使って前から後ろに向かって洗います。 

胎脂が残っているようなら日にちをかけて取り除いていけば良いです。おりものがある場合もありますが、お母さんのお腹にいたときにもらっていたホルモンの影響ですから心配しなくていいです。最後に肛門を洗います。」

「洗い終わったら、足元からかけ湯をしてから赤ちゃんをあげます。 二人で行うときはかけ湯をする人と赤ちゃんを抱っこする人で役割を分けるとラクです。」

「かけ湯が終わったらお尻を支えたまま手を開いてお湯を切りますが、このとき赤ちゃんをふらないように気を付けてください。」

「用意しておいたバスタオルの上に赤ちゃんをねかせ、抑え拭きで水分をしっかりとります。 脇や首、足の付け根などのしわの多い部分はとくに丁寧に拭くようにしましょう。」

「拭き終えたらバスタオルを取り除きます。 片手で赤ちゃんの頭をささえ、上半身を浮かせたら、バスタオルをくるっと下げ、上半身を下ろして今度はお尻をあげて、バスタオルを抜き取ります。」 

「赤ちゃん が湯船からあがってすぐにおしっこしてしまうことがあるのでおむつを軽く当てておきます。臍の消毒の前に、体が冷えないように両袖だけ通しておきます。袖を通すには、迎え袖という方法で通します。袖口からお母さんの手をとおし、赤ちゃんの手を握り、袖口に誘導します。」

「袖が通せたら、次はお臍の消毒をします。綿棒で軽くおへそを拭いて水気をとります。綿棒の反対側に消毒液を2~3滴垂らし、鉛筆持ちで消毒します。片方の手でおへその根元をしっかり開くと、消毒しやすいです。おへそが乾燥する日まで、消毒は続けましょう。それからおむつをして、お着がえを着せます。」

「耳や鼻を掃除するときは、赤ちゃんのおでこを片手で固定して行います。挿入は5ミリ程度で、深いと傷つけるので注意が必要です。

「お風呂上がりは、赤ちゃんものどが渇きます。授乳してあげてください。」

「沐浴が終わったら、中性洗剤でベビーバス、洗面器を洗います。きれいに洗い流して風通しの良い場所で乾かしましょう。以上で沐浴の説明は終わりになります。

質問や、不安なところはありませんか。」

場面4:「それでは、実際に沐浴してみましょう」

<褥婦さんの実施を一部介助しながら見守る>

おわりに

沐浴後のあかちゃん

「最初は難しいと思いますが、だんだんと慣れて上手くなっていき ます。 赤ちゃんにいっぱい話しかけながら、沐浴を楽しんでください。

これで沐浴指導は終わりになります。 ありがとうございました。」

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  • この記事を書いた人

かなてぃ

いのちを育む者ひと、傷んだ人をケアするひとを愛してやまない かなてぃ です。それを学ぶ人、働く人を絶対的に応援してます!関心事は、女性こころとからだの健康。女性ホルモンの エストロゲンは 50歳で 消えていくわ。同時に仕事も足腰つらくなっていくし。それでも楽しく看護師していたいね。皆様がんばりましょう。

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