そのうち産後スグから1週間ぐらいは 産褥早期といいます。
母性看護学実習では、学生は、褥婦と新生児が
退院するまでの この期間を 受け持って ケアさせていただく という実習になるかと思います。
褥婦と新生児が 安全に過ごせて、安心して 退院の日を迎える
ってことを考えていくんですね❓
そのポイントを提供しますね。
目次
実習記録|マタニティー診断
事例を参考にしてみましょう。
【事例】
Aさんは30歳の初産婦。妊娠経過に異常はありませんでした。〇月〇日(昨日)、妊娠40週0日、自然分娩で、会陰裂傷は2度でした。分娩には夫が立ち会いました。出血量約200g、血圧112/64mmHg、産後早期吸啜を実施。乳房のタイプはⅡb型で乳輪ソフト、開通1~2本あった。
―〇月〇日(本日)より 学生受け持ち開始― |
【診断の書き方の例】
マタニティ診断 の ガイドブック(医学書院出版)を参考にしたら、
↓こんなふうに まとまるかと 思います。
♯1 初産婦 30歳 40W正期産 会陰2度裂傷 産褥1日目 産褥復古要経過観察
♯2 Ⅱ-b型乳房、乳輪・乳頭異常なし
♯3 全身の復古状態要経過観察
♯4 母親役割獲得過程にある
♯5 心理・社会的側面要経過観察
実習記録|診断に対応した看護目標(短期目標)
看護診断を そのまま 期待される結果 (アウトプット)として 表現 してみましょう。
すると 看護目標 は、
1 逸脱徴候がなく経過し 退院できる
2 左右順調に開通し、期待通りに母乳分泌量が 増える
3 血液循環量が元に戻る
4 母親役割が分かり、育児行動がとれる
5 自分のお産を 振り返ることが出来る
(*このとおりでなくていいですよ、うけもちさんにあわせてね。)
実習記録|看護計画と経過記録
お産直後の1週間は、退行性変化 と 進行性変化 が見る見るうちに変わっていきます。
産後ママさん は、ホルモンの バランスも影響して、心の揺れも大きいです。
そんな中、カラダはしっかりやすめたいけど、育児技術や 知識 も みにつけなくては いけないのです。
看護学生は、それらをとらえつつ、しっかり寄り添って、タイムリーにケアや保健指導を行っていく
ということを 実習で 学びます。
1)看護計画
♯1 について
OP)毎日産褥健診、血液検査の結果、日数通りの経過であるか観察する
✔子宮退縮不全がないか
① 日数に比して子宮底が軟らかい、赤色悪露がいつまでも続くなどの症状の有無を観察する
② 子宮退縮不全になる原因の有無(卵膜片・胎盤片の遺残、膀胱・直腸の充満、極端な安静・極端な早期離床、母乳授乳していない、眠れていない、など)を観察する。
✔感染徴候がないか
産褥熱、膀胱炎、乳腺炎、裂傷縫合部の炎症などの症状・所見
✔分娩による損傷
骨産道、軟産道の状態
TP) 子宮復古不全の予防
① 産後ルーチン投薬(メテルギン、緩下剤)の内服(Dr指示)
② 必要に応じて輪状マッサージ、冷罨法を行う
EP) 産後の身体について保健指導を行う
① 直接授乳の利点、歩行、排尿・排便の効果についてコンプライアンスを高める。
② ビデの使用を勧める。
③ 産褥体操の紹介
④ 腹帯(又はニッパー)、骨盤ベルトの効果を紹介する。
⑤ 何かあればナースコールにて、または詰所まできて知らせてくれるよう話す。
⑥ シャワー浴は 分娩翌日から可能 であることを 話す。
♯2 について
OP) 直母量、搾乳量、
TP) 適宜乳房マッサージを行う
EP) ①授乳婦の栄養負荷について説明する
② 乳房乳輪乳頭 の乳房の手入れについて説明する
♯3 について
OP) 産褥健診の際のバイタルサインチェック、血液検査結果、ホーマンズサインの有無
EP) ①産褥体操の目的・方法・効果
♯4 について
OP) 母児愛着行動がとれているか
EP) 育児技術(赤ちゃんの抱き方、おむつの換え方、母乳のあげ方、搾乳の仕方,おっぱいマッサージの仕方について説明し、実施してもらう。
♯5 について
OP) 自分のお産を肯定的にとらえることが出来ているか、よく眠れているか、家族のサポートは得られるか。
EP) 母子保健に関連する社会資源について説明する。
2)経過記録
日時 | ケアの実践 (SOAPで記録するとよい) | ||||||
○月△日
□時★分
□時★分
○月△日 □時★分
| ♯2 TP,EP実施 (授乳前に乳房マサージ施行、やり方説明)
O:乳房緊満(±)開通R/2本、L/3本 滲む程度分泌(初乳)、乳頭・乳輪部軟らかい。 P:ベビー直母
#1EP、♯2EP①、♯3EP①、♯5EP実施 (退院指導) 産後保健指導としてまとめたリーフレットを用いて実施する。または病棟のものを使わせていただく。 指導案別紙参照 O:集中して聴けていた。特に質問は無いとのこと。
♯4EP育児秘術指導――『沐浴指導』実施 指導案別紙参照 O:赤ちゃんに声掛けをしながら楽しく優しく実施できた。自宅での工夫について、湯冷ましについて質問があった。途中気分不良やふらつきなし。 A:わが子の育児への興味・関心良好
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まとめ
学生の課題である実習記録について、「看護診断」「看護目標」「看護計画と経過記録」について
筆者の思うところを書いてきました。
あくまで参考にしていただいて、ご自分が受け持っている褥婦さんの個別性をとらえて
すすめていくのが正解です。
ここまで読んでくださってありがとうございました💛
実習頑張ってくださいね、ではまた!!