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この記事でわかること
こんにちは。看護学生が臨床実習に行くと、必ず毎日カンファレンスをするんですね。また、患者さんを受け持つ実習の場合、通常、一領域の中間と最終日あたりでも、中間カンファレンスや最終カンファレンスというのもありますね。
本稿では、カンファレンスってどんなふうに進めたらいい?発表の仕方は?にこたえます。また、とある日の母性看護学実習のカンファレンスでの学生の発表を紹介しますね。
自己紹介
筆者は看護師としてICU、呼吸器外科病棟、助産師として周産期センターで勤務していました。第2子を出産してからは、看護・助産の教員を、かれこれずーっとやってます(^^)
資格:高校教諭、看護師、助産師、公認心理師 など
実習カンファレンスの意義
設営から終了まではだいたい以下の流れになります。
- 予め、実習グループのリーダーさん(あるいはカンファレンス係さん)は、テーマや目的、時間配分などを決めて、実習指導看護師さんと各メンバーに伝えます。
- 設営は、実習指導看護師に、カンファレンスに使用できる部屋、使用できる時間を聞いておき、必用な椅子をそろえておきます。時間になって学生のメンバーが揃ったら指導看護師を呼びに行きます。
- カンファレンスを開始するとき、司会者は開始の宣言とテーマの説明を行います。
- 事例提供者が 事例の説明を行います。
- メンバーが 意見交換を行います。司会者はメンバーの発言をまとめたり、質問したりします。
- 指導看護師から アドバイスを受けます。
- 司会者が カンファレンスの結論や課題を報告します。
- 司会者が カンファレンスの終了を宣言します。
カンファレンスは 参加者みんなで作り上げるものなので、積極的に発言するのが良いです。
司会者は、発言の少ない学生には発言を促していきます。参加者は、事例提供者が 説明してくれているとき、疑問や 気づき をメモにとっておくと 発言しやすいです。看護の視点や 患者の理解が 深まるといいですね。
実習カンファレンスの実際|とある日のカンファレンス
テーマは、学生さんが、自分たち(実習グループ)の学習ニーズや、関心に応じてテーマを設定したらよいと思います。
この日は母性領域でシャドウイング実習でした。「それぞれの学びを共有する」ということで 順に発表していきました。
司会N 「最初に学生から今日の学びについて発表していきます。その後 学生間で 質疑応答に入ります。 質疑応答の後、 臨床指導者さんと教員から アドバイス ありましたらお願いします。」
学生A 「学生の〇〇です。産褥母児のケアを 見学したことについて 発表します。
褥婦さんは 産褥2日目で 産褥復古の観察と、自宅に帰ってからを考えて、体の調子をどう 整えていくか 指導される場面を観察しました。後陣痛のことや、少しずつ産褥体操を行うことなど幅広い指導がありました。
新生児のバイタルサイン チェックは、児が、子宮外生活に適応していけてるか をアセスメントすることが大切だと、見学の後、助産師さんが解説してくださいました。
観察場面では、私には、見た目に黄疸が出ているようには見えなかったのですが、生後 2日目でも、顔に黄疸がで始めてるね とおっしゃってました。経皮黄疸計で確認されていました。
胎便 は,、少し 色が変わってきており、 移行便であるとわかりました。児の体温は短着1枚と長着 1枚とお布団1枚で、 室温27°c下、36.7度℃、呼吸回数、心拍数も正常でした。」
司会N 「ありがとうございます。質問はないですか」
学生B 「アセスメントすることが大切と、指導者さんからありましたが、Aさんはどう判断されましたか」
学生A 「私自身も、母児の経過は良好とアセスメントしました。」
学生B 「ありがとうございます」
司会N 「では Bさん 発表お願いします」
学生B 「学生の〇〇です。経産婦さんの 分娩時のケアの場面を観察したことについて 発表します。
経産婦さんは分娩第1期に徒歩で来院、そのまま分娩室に入られました。 陣痛は4~5分間隔で そのあと間歇期は短くなっていきました。
取り乱されたり、気弱な発言があったりしましたが、助産師さんがゆっくり 深呼吸を一緒に合わせながら促したり、ときに 飲水をすすめたり、とにかく安心できるような声かけを 欠かさずしておられました。
そうして 陣痛のいたみをうけいれながら、お産に前向きあっていけるように 励まして、傍についてらっしゃいました。その場面から、”寄り添う”ということを学びました。
経産婦さんだからといって、すんなり分娩するとは限らず、やっぱり お産は大変だと しみじみ感じました。
児が娩出され、啼泣すると感極まりました。また、私もお産の経験がありますが、自分が出産するときに ついていてくれた助産師さんのことを思い出して、今頃 感謝したりしました。」
司会N 「何か質問はないですか」
学生C 「質問というか、私も一緒に見学させていただいてました。産婦さんの、“いつまでかかるの” “もうがんばられへん” に対して、助産師さんは“赤ちゃんも頑張ってるよ” など、 絶えることなく声かけされ、腰をさすったりされていて、”寄り添う” の意味を改めて知りました。」
司会N 「ありがとうございます。つづいて、私から発表します。学生の〇〇です。『産後2週間健診』を見学しましたので、そのことについて発表します。
7日前に退院した母児なんですけど、新生児の体重は 退院時よりも250g増えていました。乳児湿疹が出ていて、ママが心配していました。助産師さんは 理由を説明し 不安を取り除き、赤ちゃんのスキンケアの指導をされました。
また、乳房の手入れの自己ケアを確認し、”それで大丈夫ですよ”、”上手になさってますよ"と声をかけていました。
ケアの観察場面の後、助産師さんから、”母性看護では正常な経過をたどっていることを確認したら、問題点に視点を置くのではなく ウェルネス思考で 統合的に見て ケアしていくことが大事で、地域に帰ってからは多職種で連携して育児をサポートしていきます”と、教えていただきました。」
司会N 「ありがとうございます。何か質問はないですか。」
「特にないようなので指導者さんから質問やアドバイス等ありましたらお願いします」
臨床指導者 「---------(本稿掲載の許可をとっていませんので省略)--------」
司会N 「ありがとうございます。続いて〇〇先生お願いします」
引率教員 「お疲れ様です。それぞれが母性看護の特殊性を発表してくださったと思います。産科病棟での、いろんな日常的なケアの場面に 参加され、気づきを咀嚼し、共有出来ていたと拝察します。このカンファレンスの意義を感じました。また次の領域実習に 活かしていってください。」
司会N 「それでは本日のカンファレンスを終了します。ご指導、有難うございました。」
実習カンファレンスの展望
ここ数年の、カンファレンスの目的・内容・方法・評価などの 実態調査などから、看護学生にとってカンファレンスは、『チームで問題解決に取り組むこと」に関して有意義なもの であることが分かっています。
同時に、カンファレンスの目的や内容が明確でないこと、時間配分や司会進行が不十分なこと、評価方法や基準が不明確なことなど、改善すべき点も多いことが指摘されています。
参加してくださる 臨床指導者さんや 引率教員 の役割は、学生の発言を 促す質問や フィードバック、学生同士の相互学習の促進 などがあると思います。きっと尽力してくださるでしょう。
まとめ|看護実習カンファレンスの進め方、発表内容の実際
看護実習カンファレンスの進め方は、準備➡設営➡発表➡総評ですね。そして発表内容の実際について、具体的に述べてきました。
臨床指導者さんや 引率教員に同席されると、緊張しますが、それぞれの良いところを 伸ばしてくれるので、のびのびと発言していきましょうね。看護学生さんの 明日の実習に お役に立てれば 幸いです。
ここまで 読んでいただき ありがとうございました。国家試験対策も同時進行で 大変ですが頑張ってください、応援しています。